手術の前にやるべき「治療法」がある
「脊柱管狭窄症」の診断が下れば、整形外科の分野に属する病気となり、そこで治療を受けることになります。しかし、私は整形外科の治療には大きな問題点があると感じています。
それは「手術をしたがる医師」が多いということ。この背景には、整形外科は外科の専門分野というのもあるでしょう。治癒のためには手術が不可欠、あるいは手術しない医師は外科医としてレベルが低いとみなされがちという雰囲気があるようです。
もちろん、中には不要な手術はしないという信念を持つ医師もいますが、そうした担当医に出会えるかどうかは運任せとなってしまうのが、患者さん側としては悩ましいところ。
私の担当する股関節症の83歳の女性患者さんに、こんなケースがありました。5年前に私のところへ来られた時は、確かに痛みが強く歩くと肩が揺れて少しも進めないほど。ですが、ホットパックを使った治療を進めるうちに、今では痛みをほぼ完全にコントロールでき、歩けるまでに症状は改善しています。
そのような状態であるにもかかわらず、レントゲン写真だけを見て、「そろそろ手術はどうですか」と医師に勧められているというのです。しかも、通院中、手術の勧誘はこれで7回目だとか。
脊柱管狭窄症の痛みは半端なくつらいものです。そのつらい時に、
「手術をすれば後遺症もなく、痛みが楽になりますよ」
と医師に自信を持って言い切られたら、たとえ不安があったとしても、
「手術はしたくありません」
と堂々と拒否できる患者さんは、そうはいないでしょう。
もちろん手術のすべてが悪いとは言いません。脳梗塞など緊急に必要な手術、手術でなければ生命を救えないケースもあるのは現実です。
ですが、優れた他の治療方法を試さずに、後遺症の危険がある手術までを安易に勧めるというのは、治療者として本来あってはならないことだと私は考えます。
手術は最後の最後の「切り札」。その前に、患者さんの体の回復のために、やれることはいっぱいあるのです。
脊柱管狭窄症の場合ですと、症状をなくすことがもっとも大切と言えます。痛み・しびれ・麻痺によって、つらかったり、生活が困難だったりする点を改善することを目指すべきです。
そのためには、脊柱管の「狭窄」を治すという西洋医学的なアプローチが必ずしも有効ではありません。手術によって「狭窄」が完治しなくても、症状をラクにすることは可能。それは、先ほど挙げた83歳の患者さんの例が証明しています。
そして、完治でなくてもラクにすることは難しくないというのが、中村の実感です。
●皮膚表面だけではなく、体内深くにまで温熱が浸透する、
高性能のホットパックへで体を温める
●生活習慣・食習慣の改善
●適切な運動
これらを実践することで、体質改善が進めば、おのずと症状もなくなっていきます。
もし、あなたが1年以上続けている治療法が何の効果もないと感じているなら、その方法を続けたところで今後も良い変化は期待できません。
実際、病院では5年、10年と通い続けても、ちっとも体がラクにならないという同病仲間に出会いませんか?そして、手術の決断を迫られては、先延ばしの繰り返しでは、心も体も疲れてしまいます。
自分の身体にメスをいれるということは後遺症を含む「高いリスクを伴う最終手段」。その前に、やれるべき治療法として中村式があることを知って下さい。もちろん、早い段階で「症状の緩和」という効果も実感できるはずです。
現代医療への素朴な疑問
- レントゲン写真だけ見て、現状や年齢などを考慮せずに、手術を勧める医師の言いなりは危険
- 1年以上続けている治療法に効果を感じられないなら、その方法を続けても良い変化は期待できない
- 完治でなくても「楽にする」ことは難しくない
